ブートキャンププログラム
2022.09.19 更新
本日ご紹介する研究論文はこちら!
パーキンソン病患者の個人に合わせた運動のガイドを支援する
新しいブート キャンプ プログラム
(A Novel Boot Camp Program to Help Guide Personalized Exercise
in People with Parkinson Disease)
元論文↓↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8467248/
平均年齢59.5±6.8歳のPDと診断された8人に対して、
4日間のトレーニングや教育や患者・家族との交流をするプログラムです。
各セッション30~60分行われ、1日に約4時間実施されました。
このプログラム後に満足度のアンケートを聴取して、
その1ヶ月後にフォローアップが行われました。
パーキンソン病は運動療法がいいと言われますが、
どんな運動を行ったらいいのかを決定することに少し苦労する可能性があります。
それを少しでも解消しようと
パーキンソン病に合わせた教育および運動のブートキャンプに参加することで、
有用性と満足度を評価した研究でした。
実際の4日間のプログラムはこんな感じでした。
※論文を参照して執筆者が表を作成しました。
パーキンソン病にとってどんな運動がいいのか?を教育した後に、
実際に訓練を通していろいろな運動を教育している印象のプログラムです。
PD Cafeの参加者の方を見ていても、
こういった基本的な知識(ヘルスリテラシー )がある方は
ご自身でしっかりと日々の運動を選択して行っている印象があります。
そういった方は、進行はより緩やかなのではないか?とおもいます。
なのでこういったプログラムは非常に有効ですね!
このプログラムを終了した時点での有用であるかどうかは
非常に有用であると答えた方が87.5%、
有用であると答えた方が12.5%だったそうです。
8人中8人が有用と感じていました。
1ヶ月後のフォローアップに関して、
このプログラム終了後に行動が変わった方の意見としては
「日々の運動を真剣に取り組んでいる」
「ジムに入会して運動量を増やした」
「ウォーキングや認知ゲームを増やした」
「ノルディックウォーキングを始めた」
「プログラムに参加している理学療法士とのセッションを開始しました」
などの意見があったそうです。
4日間ですが、これだけしっかりプログラムされ、
なおかつコミュニケーションが取れていれば行動変容も起こるんだなと感じました。
今回のこの研究では8人という、少し少ない人数での検証でしたが、
プログラムやコミュニケーションをしっかりとれるよう設計することで
行動変容が起こることが読み取れました。
こういった研究から、運動をお伝えするだけではなく
「なぜこの運動を行うのか」
「そもそもパーキンソン病とは?」
というように、私たちも皆さんに学んでもらうことをとても大切にしています。
運動がいいのはなんとな〜く分かるけど…だけではなく
運動のこういうことがいい!
パーキンソン病とはこういうことか!
としっかりと理解した上で、運動を継続することが重要です。
少しでも運動の参考になれば嬉しいです!
「根治療法が確立されるまで動ける体を作る!」
小川順也