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ブートキャンププログラム

本日ご紹介する研究論文はこちら!

パーキンソン病患者の個人に合わせた運動のガイドを支援する新しいブート キャンプ プログラム
(
A Novel Boot Camp Program to Help Guide Personalized Exercise in People with Parkinson Disease)

元論文↓↓

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8467248/

 

平均年齢59.5±6.8歳のPDと診断された8人に対して、4日間のトレーニングや教育や患者・家族との交流をするプログラムです。各セッション30~60分行われ、1日に約4時間実施されました。

 

このプログラム後に満足度のアンケートを聴取して、その1ヶ月後にフォローアップが行われました。

 

パーキンソン病は運動療法がいいと言われますが、どんな運動を行ったらいいのかを決定することに少し苦労する可能性があります。

 

それを少しでも解消しようと

 

パーキンソン病に合わせた教育および運動のブートキャンプに参加することで、有用性と満足度を評価した研究でした。

実際の4日間のプログラムはこんな感じでした。

※論文を参照して執筆者が表を作成しました。

 

パーキンソン病にとってどんな運動がいいのか?を教育した後に、実際に訓練を通していろいろな運動を教育している印象のプログラムです。

 

PD Cafeの参加者の方を見ていても、こういった基本的な知識(ヘルスリテラシー )がある方はご自身でしっかりと日々の運動を選択して行っている印象があります。

 

そういった方は、進行はより緩やかなのではないか?とおもいます。

なのでこういったプログラムは非常に有効ですね!

 

このプログラムを終了した時点での有用であるかどうかは

非常に有用であると答えた方が87.5%、有用であると答えた方が12.5%だったそうです。8人中8人が有用と感じていました。

 

1ヶ月後のフォローアップに関して、このプログラム終了後に行動が変わった方の意見としては

「日々の運動を真剣に取り組んでいる」

「ジムに入会して運動量を増やした」

「ウォーキングや認知ゲームを増やした」

「ノルディックウォーキングを始めた」

「プログラムに参加している理学療法士とのセッションを開始しました」

などの意見があったそうです。

 

4日間ですが、これだけしっかりプログラムされ、なおかつコミュニケーションが取れていれば行動変容も起こるんだなと感じました。

 

今回のこの研究では8人という少し少ない人数での検証でしたが、プログラムやコミュニケーションをしっかりとれるよう設計することで行動変容が起こることが読み取れました。

 

PD Cafeでもこういった研究から、運動をお伝えするだけではなく

「なぜこの運動を行うのか」

「そもそもパーキンソン病とは?」

というように、学んでもらうこともとても大切にしています。

 

運動がいいのはなんとな〜く分かるけど、だけではなく

運動のこういうことがいい!

パーキンソン病とはこういうことか!

としっかりと理解した上で、運動を継続することが重要です。

 

PD Cafeでも今回のこの研究のようなプログラムを考えて実践しても良いかなとこの論文を読み込んで思いました!乞うご期待!!

 

少しでも運動の参考になれば嬉しいです!

「根治療法が確立されるまで動ける体を作る!」

 

PD Cafe
小川順也

 

 


PD Cafeとは?

2013年より開始したパーキンソン病の方の運動継続プログラムです。

パーキンソン病を専門とし、国家資格である理学療法士を保有したスタッフがパーキンソン病の方へ運動をお伝えしています。

PD Gym
パーキンソン病専門のリハビリジム。理学療法士や作業療法士等の国家資格保有者が、個別指導します。

PD Cafe Online
パーキンソン病専門の運動動画配信サービス。月〜金で毎日運動や発声等に関する動画配信をしています。医療機関でしかなかなか会えない専門家に気軽に質問ができます。

執筆者

小川順也

理学療法士/LSVT BIG認定療法士

2011年〜2015年 国立精神・神経医療研究センター病院勤務

2017年〜株式会社Smile Space代表取締役就任

2022年は

パーキンソン病・運動障害疾患コングレスのPDナース・メディカルスタッフ研修会にてパーキンソン病のリハビリテーションというテーマで医療従事者へ向け講演を実施。その他多数の講演にてパーキンソン病のリハビリテーションを啓発している。

著書:パーキンソン病と診断されたら最初に読む運動の本(日東書院)

共著:パーキンソン病の医学的リハビリテーション、神経難病100の叡智

投稿:百年人生におけるパーキンソン病治療の展望 第四刊 「診断早期からの運動継続プログラムで根治療法が確立されるまで動ける体作り」

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