集中的なリハビリテーションは神経にもいいの?
2022.07.01 更新
みなさんこんにちは。小川順也です。
PD itではオンラインとリアルのハイブリッド(オンライン完結も可)での
集中トレーニングを行なっています。
「え!?オンラインだけでも効果あるの?」
と言われますが、
実際に、
・スーパーに行く時間が20分掛かっていたけど5~10分くらいでいけるようになった!
・スーパーのカートを屁っ放り腰で押していたけど、今はしっかり押せる!
と言ったような日常生活が良くなるような変化が起きます。
世界中の研究報告で、
「パーキンソン病に集中的な運動は良い」という内容が出されています。
以前、
1年に1回の集中的なリハビリは薬の量を抑えられる!?という論文と、
継続的な運動は薬の量を抑えられる?という論文をご紹介しました。
身体の動きやすさにも繋がることが
UPDRSというパーキンソン病の動きなどの評価結果からも分かります。
そこで、今回は
「集中的な運動をすると神経にはどうなんだろう?」という報告です。
集中的なリハビリテーションはパーキンソン病患者のBDNF血清レベルを増加させる:無作為化試験
Intensive Rehabilitation Increases BDNF Serum Levels in Parkinsonian Patients: A Randomized Stud
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8641297/
この研究では2つのグループに分けて検証しています。
・グループ1(Treatment):リハビリテーションあり
(28日間1日3時間(週5日)の有酸素運動含む介入) N=15
・グループ2(Control):リハビリテーションなし N=10
に分け、実施内容としては
①リラクゼーションエクササイズ
②トレッドミルでの有酸素運動
③作業療法のセッション
でした。
どんな評価を使ったかというと
①UPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale):統一パーキンソン病尺度
②BBS(Berg Balance Scale):バランステスト
③6MWT(6min walk test):6分間のどのくらいの距離を歩けたのか
④ BDNF(Brain derived neurotrophic factor):脳由来神経栄養因子
を、0日目、10日目、20日目、28日目に計測しています。
結果として、
運動介入したグループ①はUPDRSの数値も改善され、
さらに、脳由来神経栄養因子も増加したという結果でした。
この脳由来神経栄養因子は、神経の可塑性や保護に役に立つものです。
このことによって
「集中的な運動は運動機能の改善のみならず、脳由来神経栄養因子が増え
脳内の神経の可塑性や保護につながる可能性がある」
ということになります。
定期的な運動、そして1年に1回は頑張って負荷量を高める運動介入をすることは
これらの論文からパーキンソン病の方々にとってとても良さそうだと感じます。
PD Cafeではこれらのことより
「集中的な運動と運動継続」の2つが大事と考えています。
集中的な運動は現在、オンラインと対面を組み合わせることでも出来ますし、
遠方の方は完全なオンラインで集中的な運動が出来ます。
ご興味ある方は